「お彼岸」 とは、
仏教用語の「波羅密多(はらみった)」
からきたものとされています。
現世を表す「此岸(しがん)」に対して、
向こう岸(極楽浄土)を表し
「此岸」にある者が「六波羅蜜(ろくはらみつ)」
の修行をすることで「悟りの世界」、
つまり「彼岸」にたどり着ける
との考えからきています。
また、彼岸の中日は極楽浄土と現世が
最も近くなる特別な日だという考えがあり、
お彼岸は「魂祭り」「祖先のお祭り」
をする日だったことから、
祖先の墓参りをするようになりました。
お彼岸の期間は、
春分の日と秋分の日の
それぞれ前後3日間を含む計7日間です。
初日を「彼岸の入り」、
春分・秋分の日を「中日」、
最終日を「彼岸の明け」といいます。
お彼岸にお供え物を仏壇やお墓に供えたり、
相手に渡す日についてですが、
決まった日があるわけではなく、
お彼岸の期間に渡せば問題はない
とされています。
一説に、春彼岸・秋彼岸の中日
(春分の日と秋分の日)にお供えをするのが
最も良いとも言われます。
お彼岸のお供え物についてお返しをする際は、
お供え物に頂いたものと同じようなものや、
タオルや石鹸という日用品や
お茶などを送るのが一般的です。
お返しの掛け紙の表書きには
「志」や「粗品」といった一般的な
表書きを書きましょう。
お彼岸お供えのお金?相手に余計な手間をかけない、3千円~5千円!
お彼岸には、
手土産としてお供え物を
持っていかれる場合が多いと思います。
お供え物としてふさわしい物は以下になります。
- ぼた餅(春のお彼岸の場合)
- おはぎ(秋の彼岸の場合)
- 故人が好きだった食べ物やお酒
- 果物
- 菓子折り
- お花(白や淡い色のもの)
- 線香やろうそく
金額の相場は、
3,000円から5,000円とされています。
また、お供え物には
掛紙の水引が黒白・
または双銀、地域によっては
黄白の結び切りを選ぶようにしましょう。
表書きを「御供」、
忌明け前であれば「御霊前」、
忌明け後であれば「御仏前」
などの言葉を添えるとよいです。
お金をお供えとしてお渡ししても大丈夫です。
お金の場合でも金額の相場は、
3,000円から5,000円です。
白黒か双銀の結び切りの不祝儀袋に、
表書きを「御仏前」「御佛前」「御供物料」
と書いてお渡しします。
一般的には以上の通りになりますが、
地域やお家によって習慣は違ってきます。
不安な場合は、
お伺いする家庭に近い家の方に
それとなく聞いてみるのが無難でしょう。
お彼岸お供えはいつまで?春分の日・秋分の日の後3日まで継続する!
彼岸明け(最終日)を迎える前の、
彼岸の期間中にすることを
ご説明していきます。
仏壇の掃除
まずは、自宅の仏壇や仏具を
きれいにしていきます。
日常お供えなどをしていても、
節目のときには改めてきちんと掃除をします。
そのうえで、春の彼岸はぼた餅を、
秋の彼岸はおはぎやお花などをお供えして、
仏壇に手を合わせます。
お墓参り
彼岸にはできる限り都合をつけ、
家族そろってお墓参りをします。
掃除道具も持参して、
お墓や周りをきれいに掃除して、
気持ちよくお参りをしましょう。
法要
彼岸のときは、
お寺で合同法要が行われることがあります。
そちらに参加したり、
自宅で僧侶を招き個別に
法要を行うことも良いでしょう。
まとめ
今回は、お彼岸についてお話してきました。
「お彼岸にお墓参り」という文化は、
仏教徒が多い他の国と比べても
日本だけの独特の風習です。
お彼岸の中日である春分の日の意味が
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」、
秋分の日が「祖先をうやまい、
なくなった人々をしのぶ」
という意味をもっていて、
昔から先祖崇拝や豊作に感謝してきた
日本らしい文化が影響しているといえます。