「朝になっても熟睡した感じがしない」とか、
「夜中に何回か目覚めた気がする」など、
眠りが浅いことを自覚している人は
意外とたくさんいます。
「自分の眠りはこんなもの」
「眠りが浅いのは歳のせい」と
あきらめている人もいますが、
眠りを改善する手立てが見つかることもあります。
まずは、睡眠が浅い理由を見ていきましょう。
理由①体内時計のリズム
眠気のリズムを作っているのは、
おもに「体内時計」と「睡眠物質」です。
体内時計は24時間より少し長い周期で
1日を刻んでおり、昼に活動して
夜は眠るリズムを作ります。
睡眠物質は、起きている時間の長さに比例して
脳の中で増え、眠ると分解されて減ります。
この体内時計と睡眠物質のリズムが
うまくいかないと眠りが浅くなります。
理由②自律神経のバランス
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。
交感神経が活発だと眠気が減り目も覚めます。
一方、副交感神経は、交感神経より
元気になると眠くなります。
夜になっても交感神経の活動が活発な人は、
眠りが浅くなります。
理由③ストレスやうつ
強いストレスを感じると、
脳が興奮して眠りが浅くなります。
うつ状態やうつ病の人も、
外からはボーっとしているように
見えるかもしれませんが、
脳の覚醒度が高いため夜は眠れず
昼寝もできない状態にあります。
理由④メラトニンの減少
脳の松果体から分泌される「メラトニン」は、
「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。
日中はあまり分泌されませんが、
夜になると分泌量が増えて眠気を誘います。
メラトニンは明るいところで過ごすと
分泌量が減り、暗いところにいると
増える性質を持っています。
夜に明るい光を浴びると、
メラトニンが減って眠気が弱まったり
眠りが浅くなったりするので注意が必要です。
睡眠が浅い?短時間睡眠でも熟睡が出来るショートスリーパーが存在!
ショートスリーパーとは、
睡眠時間が6時間未満でもアクティブに
活動できる人のことを言います。
現在では日本人では5~8%が
このショートスリーパーと言われています。
睡眠不足の蓄積が、
がん、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、
うつ病などの精神疾患、認知症など、
さまざまな疾病の発症リスクを高めることが、
研究結果から明らかになってきています。
しかし、単に睡眠時間が長ければ良い
というわけでもありません。
米国の大規模調査では
睡眠時間が7時間の人が
最も死亡率が低く長寿でした。
短い睡眠が健康にとってリスク
というのわかりますが、
8時間を超える睡眠時間の人は
死亡リスクが上昇するという結果がでています。
これまで理想的な睡眠時間は8時間
と言われましたが、
学問的根拠はなかったということです。
睡眠浅いのはいびきのせい?翌日も疲れが取れないと重病の危険信号!
日本人で「いびき」をかく人は男性の24%、
女性の10%いると言われています。
いびきには、元々の日本人の骨格的な特徴と、
後天的な生活習慣の変化が大きく
関連しているとされています。
いびきの原因は、咽頭(のど)が狭くなり、
息を吸うときに狭くなった部分に
空気が通過するため、のどが振動して
音がでることにあります。
眠ってしまうと、
のどを支えている筋肉がゆるむため、
よけいに咽頭が狭くなります。
もともと日本人は、顎(あご)が
小さい人が多く、肥満や飲酒や睡眠薬によって
いびきが出現しやすくなります。
いびきを引き起こす病気としては、
咽頭扁桃(アデノイド)が腫れた場合や
口蓋垂(のどちんこ)が大きい場合、
かぜや鼻炎で鼻が詰まっている状態、
鼻中隔彎曲(鼻の骨が曲がった状態)、
極端な肥満、睡眠時無呼吸症候群などがあります。
本人は眠っているので気がつきませんが、
一見熟睡しているようでも睡眠が不安定なため
睡眠不足になってしまっています。
現在のところいびきは疾患として
認められていませんが、
慢性的ないびきは決して望ましい状態
とはいえません。
無呼吸症候群なども発症しやすくなりますので、
専門医に相談してみるのも良いでしょう。
まとめ
今回は、睡眠についてお話してきました。
睡眠でまず大事なのは、
睡眠時間をきちんと確保することです。
日中眠くなったり、仕事や学校のない休日に
遅くまで寝てしまったりしている場合は、
日ごろ睡眠時間が足りていません。
睡眠時間を確保することは
私たちの健康にとって重要なことです。
睡眠不足だと風邪をひきやすくなり、
高血圧や糖尿病の要因にもなりうることが
報告されています。
睡眠には「脳や身体の休養」「疲労回復」
「免疫機能の増加」「記憶の固定」「感情整理」
など多くの重要な役割があります。
うまく睡眠不足を解消しながら、
体内リズムをコントロールして、
生き生きとした毎日を過ごしましょう!